日本放射線腫瘍学会小線源治療部会第28回学術大会
開催のご挨拶
日本放射線腫瘍学会小線源治療部会第28回学術大会
大会長
青木 昌彦
(弘前大学大学院医学研究科放射線腫瘍学講座 教授)

このたび、日本放射線腫瘍学会小線源治療部会第28回学術大会を、2026年5月22日(金)・23日(土)の2日間、弘前にて開催できることを、大変光栄に存じます。
小線源治療は、1898年のキュリー夫妻によるラジウムの発見を契機に、1901年に皮膚がんへのラジウム治療として始まりました。その後、線量の精密な配置や線量測定法の標準化が進み、3次元治療計画、画像誘導小線源治療(IGBT)などの技術革新を経て、線源配置の精度が飛躍的に向上し、病変部への最適な線量分布が可能となりました。さらに、アプリケーターの改良や線源配置の最適化により、組織内照射や腔内照射の適応範囲が拡大し、小線源治療は高精度放射線治療の一翼を担う重要な技術として、根治治療や臓器温存治療において極めて大きな役割を果たしています。しかし、その一方で、老朽化した機器の更新、診療報酬の制度的課題、若手人材の育成、施行可能な施設の減少や使用頻度の低下など、克服すべき課題も抱えております。
そこで、本大会のテーマを「革新と確信 〜小線源治療の進むべき道〜」といたしました。
技術革新によって治療の選択肢が広がる一方で、確信を持って小線源治療を患者さんへ届けるためには、治療の安定性と持続性の確立が欠かせません。今後の展望を明確にし、小線源治療の進むべき方向を皆様と共に考え、診療の発展に貢献する機会となれば幸いです。
本大会が、日々の診療に役立つ最新知識の共有と活発な議論、交流の場となることを願い、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。